昔にタイムスリップしたかのような
レトロな町並みの温泉郷
「 おかえりなさい 」
800年の歴史を重ねてなおたくさんの人々に愛された湯治宿は、今現在も当時の面影を残しています。
温泉や商店が立ち並ぶ町並みはどこか懐かしいほのかな硫黄と故郷の香り。
川内高城温泉で遠い思い出と過ぎ去る季節を感じながら憩いの時間をお過ごしくださいませ。
川内高城温泉の特徴
昔ながらの湯治宿としての風合いを残している川内高城温泉には大きく3つの特徴がございます。
浴槽
仕切り付きでお好みの温度をお楽しみいただけます
川内高城温泉は昔から湯治宿としてもたくさんの人に親しまれてきましたが、他の湯治宿と大きく異なるのは、その源泉が注がれる浴槽に仕切りをつけることで自然なお湯の調節を行なっている点です。
源泉に近い浴槽は熱く、仕切りを超えた側の浴槽は適温に調節されるため、最初は適温で慣らしてから源泉側でピリリとくるような熱いお湯の感覚を楽しむなど、自分のお好みの方法でご利用いただけます。
泉質
日本の名湯百選に選ばれた美人湯
温泉の泉質はpH9.1以上の無色透明アルカリ性単純硫黄泉の美人湯。トロトロとした肌触りのお湯は温泉王国鹿児島屈指の名泉と呼ばれています。川内高城温泉は2つの源泉を分け合って運営されているため、この温泉をすべての施設において源泉掛け流しで贅沢に入浴いただけます。
浴感
個性豊かな湯治宿の数々
川内高城温泉は2つの源泉から湧き出る温泉を分け合って運営されていますが、その繊細な泉質ゆえに温泉ごとに少しずつ浴感が異なっているのが特徴です。また、それぞれの温泉にも外観から浴槽まで特徴があり湯めぐりだけではなく館内の雰囲気を楽しむのもオススメです。
川内高城温泉の歴史
川内高城温泉のおこり
川内高城温泉は鎌倉時代編纂の「建久図田帳」(建久年間に鎌倉幕府の命により全国規模で作成された国ごとの土地台帳のことで大田文(おおたぶみ)、図田帳などと呼ばれた)にその名を記されています。旧藩政時代から湯治、保養温泉として利用され「三国名勝図会」(江戸時代後期に薩摩藩が編纂した薩摩国、大隅国、及び日向国の一部を含む領内の地誌や名所を記した文書)にも記載されています。
しかし、いつごろ川内高城温泉が発見されたのかは、はっきりしていません。一説によると文和年間(1352~55年)に川内大小路の住人、大谷某により発見されたと言われ、さらには約800年前(1200年ごろ)に宣教師により発見されたとも伝えられています。
古くは湯川内(ゆごうち)と呼ばれ、その後、湯ノ元温泉、川内高城温泉と呼ばれてきました。昭和42年川内温泉開発協同組合設立を機に「川内高城温泉」となりました。川内高城温泉が薩摩川内市湯田町にある事から「湯田温泉」と呼ぶ方も多くいらっしゃいます。
西郷隆盛と川内高城温泉
西郷さんが川内に訪れた史実として板垣家との関わりがあります。板垣家は水引郷五代村(薩摩川内市五代町)の豪農、かつ豪商。「川内川の水が逆さに流れる事はあっても板垣どんの財産がつぶれる事は無い」とまで言われた資産家でした。
嘉永元年(1848年)二月十七日、西郷さんの残した手紙に板垣与右衛門、休右衛門に借金の礼状があります。西郷家は大家族で貧しく弘化四年(1847年)西郷さんは父の吉兵衛とともに板垣家を訪れ、百両を借りています。
また弟、吉次郎が板垣家へ出した手紙もあり、両家の親交が伺えます。さらに明治五年(1872年)、明治天皇の巡幸に従って帰鹿した西郷さんは、板垣家に二百円を返済し、長年の恩を感謝しています。
各地に伝わる西郷さんについての逸話
西郷さんは二十歳の頃、郡方書役として高城川妹背橋の工事監督助手をしたり、田畑の検分の為川内を訪れています。また明治になってからもよくウサギ狩りに来ていたと伝えられています。 この頃、川内高城温泉に訪れた逸話を残しています。
その1 西郷隆盛宿泊の家
温泉近くの陽成町にあり、この周辺には狩りの途中で寄り宿泊したとされている。家には西郷さんがお風呂に入る際に使用したとされている踏み台が残されている。家から見える一条神社の山を築山のようだと眺めていたことも伝わっている。
その2 妹背橋の架橋
若い頃の西郷さんは「郡方書役助」という農政•土木に関する仕事をしていた。その際に関わったとされているのが妹背橋であり、当時は石橋であった。現在橋は残されていないが、当時の橋の欄干だけが新しい橋の近くに保存されている。
その3 西郷さんの犬の墓
高城町本町に西郷さんがひいきにしていた家があり、帽子や帯が残されている。また、西郷さんが狩りの際にぞろぞろ引き連れていた犬の中から一匹を預けていたとも。その犬のお墓もあるらしい。
その4 温泉滞在中に囲碁
川内高城温泉に滞在していた西郷さんは、狩りや入浴以外に囲碁も楽しまれていたという。その 際に使用したとされている碁盤と碁石が滞在していた家に伝わっている。西郷さんは温泉で本当にゆっくりとくつろいでいたということだろうか。
その5 西郷さんはひょうたんを欲しがった
うさぎ狩りに出かける途中の陽成町の並松で、縁側の柱にかかるひょうたんに西郷さんは気づいたという。その家の主人は 源左衛門さんというひとで、あまりにもかっこいいひょうたんだったので、売ってくれと頼んだという。 ただ、この源左衛門さんは 西郷さんと気づかずに売らなかったらしい。
その6 西郷隆盛の腰掛石
薩摩街道沿いに西郷さんが腰掛けたとされている石が残されている。この家では昔から西郷さんが腰掛けたものだからと家 の宝として大切に保存してきたという。近くの堂之尾には西南戦争の戦死者の墓もある。
川内高城温泉の町並み
風情のある町並みには竹細工のお店や憩いの場所で知られる茶屋があり、憩いの場所としても人々から愛されています。
温泉帰りやお散歩コースのついでに、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
お食事どころ
せっちゃん
通りにある小屋で曜日限定の焼き鳥屋さんで、風に乗ってくるおいしそうな炭火焼きの香りに思わず立ち寄りたくなります。こんがり焼き立ての豚足などを温泉の町並みを眺めながらいただけます。
営業時間:土曜日のみ
観光・お土産
八木商店
にぎやかに装飾された店内にところ狭しと並べられたお酒の種類は幅広く、お酒好きにはたまりません。テレビでもたびたび取り上げられており、有名人のサインも飾られています。
熊野神社
川内高城温泉入り口の高台に建てられている神社です。
境内の前からは温泉地の前景を一望できます。夏は木陰が豊かで涼むのに最適です。